欧州ローカル列車のブログ

欧州ローカル列車の旅 のブログ編です。 ヨーロッパ各地を鉄道で旅行した時の様子を、1枚の写真と簡単な解説とでご紹介しています。

クリスチャンサン Kristiansand (ノルウェー)

クリスチャンサンは、ノルウェーでは最も南に位置する、人口9万弱、同国第5の都市です。首都オスロから列車で4時間半かかるため、飛行機と鉄道が見事に競合する区間です。線路はこの先、スタヴァンゲル(Stavanger)まで続きますが、ここクリスチャンサンでスイッチバックをするため、どの列車も10分前後、停車します。何とものんびりした旅で、これに普通に慣れている人だと、日本の新幹線のせわしなさが異常にも思えてくるでしょう。

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13時44分発オスロ行きの急行列車が発車していくところです。このような電気機関車牽引の客車列車と、新型の電車とがあります。私はどちらにも乗りましたが、客車の方がずっと快適な感じがしました。ノルウェーの長距離列車もこれから次第に電車化が進むのでしょうか。

(撮影:2014年9月)

ミシュコルツ・ティサイ Miskolc Tiszai (ハンガリー)

ミシュコルツは、ハンガリー北東部にある、人口ではハンガリー第3の都市です。トカイワインの産地として知られています。長く製鉄などの工業都市として君臨しましたが、それゆえに現代では寂れがちな面もあり、どことなく活気を失った町という印象です。この駅は、単にミシュコルツ駅とも呼ばれる、鉄道での玄関口ですが、市街地から外れた寂しい所にあります。中心部と2キロ以上離れており、路面電車で結ばれています。

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寂れがちとはいうものの、首都ブダペストとの間がインターシティーで2時間で結ばれており、鉄道での移動が便利な距離なので、駅はそれなりに活気があります。電気機関車に牽引され、客車4輌をつないだブダペスト行きが入線し、大勢の人がここで乗り込みます。

(撮影:2014年6月)

キッツィンゲン Kitzingen (ドイツ)

キッツィンゲンは、バイエルン州北西部、マイン川のゆったりした流れに沿って、葡萄畑が広がる人口2万あまりの町です。今でこそワインの産地の一つとして知られ、長閑で平和な光景が広がっていますが、2006年まで米軍基地があり、また第二次大戦時には巨大な地下トンネルが掘られたそうです。そのトンネルは危険なため、今なお誰も立ち入ることができないそうです。

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鉄道は、ヴュルツブルク(Würzburg)とニュルンベルク(Nürnberg)を結ぶ幹線が通っています。特急などは通過しますが、普通列車も1時間に1本あり、地元の人にもそれなりに利用されています。

(撮影:2014年2月)

ヴェングリニェツ Węgliniec (ポーランド)

ポーランド西部、ドイツに近い鉄道のジャンクションです。町は小さいですが、駅構内は広く、きっとかつてはもっと鉄道の町として活気があったのではと思わせます。第二次大戦まではこのあたりはドイツに属していたということです。

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ヴロツワフ(Wrocław)発ベルリン経由ハンブルク行きの、一日1本だけのEC列車は、国際特急列車とはいうものの、僅か3輌編成で、高速列車とは無縁の、昔ながらののんびりした感じの汽車です。ここヴェングリニェツから非電化単線の路線に入るため、電気機関車からディーゼル機関車へ付け替えがあり、そのため10分ほど停車します。今は列車内は全て禁煙なので、かなりの乗客がホームに降りて煙草を吸っていました。

(撮影:2014年11月)

リブニシュチェ Rybniště (チェコ)

リブニシュチェは、チェコ北西部、緑に囲まれた人口僅か700人ほどの小さな村です。これといった特徴もなく観光客も来ない田舎ですが、駅は鉄道のジャンクションとして、そこそこの乗り換え客があり、駅員も常駐しています。駅舎も立派です。

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2012年1月にここに来た時、小さなディーゼル機関車に旧型客車2輌をつないだルンブルク(Rumburk)発ジェチーン(Děčín)行きのローカル列車を見て、すごく乗りたくなりました。その時はスケジュールの都合で乗れなかったので、それから3年弱を経た今回、この線にジェチーンから乗りました。しかし既に新型車輌に置き換わっていました。客車鈍行はもう消滅したのか、このあたりでは見かけませんでした。かろうじてまだ、旧型気動車によるこういうローカル列車が走っていましたが、それも少数派で、近々新型に置き換わるのかもしれません。チェコの鉄道車輌も急速に置き換えが進んでいるようです。

(撮影:2014年11月)

ヴィルフランシュ・シュル・メール Villefranche-sur-Mer (フランス)

ヴィルフランシュ・シュル・メールは、古くからの地中海岸の保養地として名高いニース(Nice)の2駅ほどモナコ(Monaco)寄りにある小駅です。優等列車は通過しますが、近距離を走る普通列車は本数が多く、利用者もパラパラと見られます。駅のニース寄りはすぐトンネルで、そのあたりから、モナコ方面を望むと、このように湾に沿って走ってくる列車を眺めることができます。

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ニース自体、高級保養地のイメージで知られている街ではありますが、それでもニース駅周辺は都会的に雑然とした面もあります。しかし電車に5分乗ってここへ来れば、もう別世界。ビルフランシュは天然の良港でもあり、平地は少なく、高台には庶民にはとても手が出ない高級住宅が点在しています。

(撮影:2014年5月)

チュンセット Tynset (ノルウェー)

人口5千人あまりの内陸部の町、チュンセットにある鉄道駅です。北欧の内陸なので、冬は数ヶ月に渡って氷点下が続くそうですが、その分、夏は爽やかで快適です。このあたりは伝統的に農牧や林業が盛んだったようですが、今はいずこも同じで、第三次産業が主流です。

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鉄道は、非電化単線のローカル線が通っており、2輌の気動車列車が一日に数本、やってきます。あまり脚光を浴びない地味な路線です。しかし、盲腸線ではなく、かなり長距離の路線で、首都オスロ(Oslo)と主要都市トロンハイム(Trondheim)とを結ぶ長距離の本線を補完する役割も担っています。本線も本数が少ないので、時間帯によっては、オスロからトロンハイムまで、こちら経由になることもあります。そのため、長距離客の割合が高いローカル線となっています。

(撮影:2014年9月)

バルデヨフ Bardejov (スロヴァキア)

スロヴァキア北東部、ポーランド国境からも遠くない山あいの町、バルデヨフは、世界遺産に指定された広場や、古くから栄えた温泉があることで知られています。鉄道は、この地方の中心で県庁所在地である、プレショフ(Presov)から、単線の盲腸ローカル線がここまで延びていて、終着駅となっています。使われているのは、もっぱら2輌編成のレールバスです。このレールバスは1輌目にしか運転台やエンジンがないらしく、そのため、終着につくたびに、機関車の付け替えよろしく、1輌目と2輌目を入れ替えないといけません。なかなか手間のかかることを、今なお続けています。

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思ったより大きな町で、駅の近くは家の建て込んだ所もありますが、駅付近の踏切のあたりから見れば、両側は鬱蒼たる林でした。そこへこうしてレールバスがやってきました。日本ではこんな感じの古いレールバスはほとんどなくなってしまったので、乗るのも見るのも楽しいひとときでした。

(撮影:2014年9月)