欧州ローカル列車のブログ

欧州ローカル列車の旅 のブログ編です。 ヨーロッパ各地を鉄道で旅行した時の様子を、1枚の写真と簡単な解説とでご紹介しています。

シックスマイルブリッジ Sixmilebridge (アイルランド)

シックスマイルブリッジは、アイルランド中部の典型的な農牧地帯にある小さな村です。かつては駅はありませんでしたが、ローカル列車の利用促進のためでしょうか、2010年にリムリック(Limerick)とエニス(Ennis)の間の唯一の途中駅として開業しました。しかし大昔は駅があったそうで、正確に言うと再開らしいです。新しい駅なので、単線にホームだけとはいえ、自動券売機なども備わり、駅前に駐車場も整備され、パーク・アンド・ライドでの利用を狙っているようです。

f:id:localtraineurope:20141013040444j:plain

2輌編成の気動車は、実は日本の東急車輌製。ヨーロッパでは極めて珍しいです。この写真は、シックスマイルブリッジで数名の客を乗せて、リムリック方面へと去ってゆく所を、駅近くの陸橋から撮ったものです。この写真だけを見ると純然たる農村地帯に見えますが、実際はこのあたりの住人でも、もはや農家は少数派で、近くの街の企業などで働く人の方が多いそうです。

(撮影:2013年10月)

ティスヴィレライ Tisvildeleje (デンマーク)

ティスヴィレライは、デンマークの首都コペンハーゲンから北北西に約60キロの距離にある、海辺の村です。一般の知名度は低いですが、ローカルにはビーチがあることで知られているようで、ホテルなどもあります。しかし夏でも涼しい国ですから、ビーチが賑わう期間は短いことでしょう。鉄道は、コペンハーゲンからヒレレズ(Hillerød)で一度乗り換えれば、たどりつける、終着駅です。

f:id:localtraineurope:20141013035610j:plain

列車の本数は案外多く、その意味ではローカル線ではありません。車輌もモダンな新しい、2輌編成の軽快気動車で、都市近郊交通として機能しています。広域的にはコペンハーゲン首都圏と言ってもいいのでしょうが、通勤するには遠すぎます。ヒレレズから乗ったら、各駅で少しずつ乗客が降りて、終着ティスヴィレライまで来るとガラガラという、典型的な盲腸ローカル線でした。11月といえばもう晩秋。落葉樹の葉もすっかり落ちて、冬を待つばかりという北国の哀愁を感じさせます。

(撮影:2013年11月)

過去記事復元作業終了と新規記事投稿開始について

 9月30日付け当ブログでお知らせしましたように、以前のアメブロで消えてしまった過去の記事を、当時と同じ日付でこのブログに復活させる作業を行いました。

 このたび終了しましたので、これから新たな記事の投稿を開始します。

 但し、以前のアメブロ時代のペースは保てません。回数は大幅に減らします。1年近いブランクの間、ブログが仕事や生活の負担になっていたことを感じたため、これからは無理のないペースで追加していきたいと思っています。

欧州ローカル列車のブログ復元作業について

 このブログは、ウェブサイト 欧州ローカル列車の旅 を補足する目的で、2012年10月に、アメーバブログ ameblo.jp/localtraineurope で開設し、しばらくの間、少しずつ記事を追加していました。しかし何故かある日突如、アメーバブログの記事が完全に消えてしまいました。原因は不明で、アメーバブログの運営に問い合わせても返事すらいただけませんでした。

 幸い、元データのほとんどは残っていたので、改めてこちらで、過去の記事の復元も含め、再スタートいたしました。

 現在まず、消えてしまった過去のアメーバブログの投稿記事を、当時と同じ投稿年月日にて、順次復元作業をしているところです。その作業が終わるまでは、このページが常にトップに来ます。ご了承下さい。

(復元作業開始:2014年09月30日)

ソラレス Solares (スペイン)

スペイン北部、カンタブリア地方にあるソラレスは、サンタンデール(Santander)の東20キロの郊外にある小さな町です。同名のミネラルウォーターの工場があるそうで、それで地域の人には知られているようです。このあたりまでがサンタンデールの都市圏、通勤圏のようで、この駅で折り返す列車が結構あります。

f:id:localtraineurope:20141004084438j:plain

この鉄道は、RENFEとして知られるスペイン国鉄とは別会社で、狭軌鉄道を大々的に運営する、FEVEという鉄道会社です。しかし私鉄ではなく、RENFE同様の国営だそうです。その昔は私鉄も多かったものの、狭軌ということもあり、利益を上げるのが厳しいから、国が面倒を見ることになったという感じらしいです。狭軌と言っても日本の軽便鉄道ではなく、1メートルゲージですから、日本の大部分の鉄道よりレール幅がちょっと狭い程度です。長距離ローカル線もありますが、主要な役割は都市近郊輸送のようです。

(撮影:2013年10月)

アルレスフォード Alresford (イギリス)

エセックス州コルチェスター(Colchester)の郊外にある駅です。コルチェスターはイギリスでも古い歴史を有する街ですが、今は列車が速くなり、ロンドンまで50分で行けるので、ロンドンへ長距離通勤する人も少なくありません。ですがそれでも、ロンドン郊外というよりは、イングランドの地方都市という雰囲気が濃く、まして、そこからまた支線に乗り換えて数駅のこのあたりまでくると、もうロンドン郊外の雰囲気もありません。

f:id:localtraineurope:20141005210034j:plain

どこにでもありそうな、地元の人しか利用しそうもない特徴の薄い駅です。跨線橋の形はユニークというか、印象的ですが、このあたりの他の駅でも見られます。駅は、1866年の路線の開通時に設置されていますが、電化されたのが1959年なので、その際に架線を通すために跨線橋を改築して、こんな形になったのかもしれません。だとしても、もうそれから50年以上経つわけですが。

(撮影:2011年3月)

シネイ Ciney (ベルギー)

ナミュール(Namur)とルクセンブルク(Luxembourg)の間にある、シネイという小さな町の駅です。やはりビールの国ベルギーだけあって、町にはビール醸造所があり、シネイというブランドのビールを作っています。駅は分岐する路線もない中間駅ですが、追い越しのできる2面4線のホームがあります。こういう構造の駅は、欧州ではそれほど多くありません。幹線の駅とはいえ、地下道も跨線橋もなく、下車する人は構内踏切を渡って駅舎へと行きます。

f:id:localtraineurope:20141005080644j:plain

停車中の列車は2輌編成のローカル電車で、各駅に停まってナミュールまで行きます。ここで30分ほど停車して、ルクセンブルク発ブリュッセル行きのインターシティーを先に通します。しかし、停車時間も長いので、乗り通す人はほとんどいません。そもそも鈍行はいつもガラガラです。乗ってきた僅かな乗客は、ここで降りるか、さもなければインターシティーに乗り換えます。インターシティーも日本と違って特急券などの特別料金は必要ないので、しごく当然ですが、それだけに、各駅停車の方が風前の灯のような印象です。私も空いている鈍行でのんびりと行きたかったのですが、発車までの時間が長すぎるので、ここでインターシティーに乗り換えました。インターシティーの方はかなりの席が埋まっていて、窮屈な旅でした。それでも鈍行でゆっくり行く人など誰もいません。

(撮影:2012年12月)

コリーン Kolín (チェコ)

首都プラハから55キロという、遠すぎず近すぎずの街、コリーンは、歴史的な古い街並みも残っているものの、今は工業都市のイメージが強い都市です。とりわけ重要なのが、日本のトヨタとフランスのプジョーが合弁で設けた自動車工場であり、今はそれが街の経済を支えていると言っても過言ではありません。

f:id:localtraineurope:20141005080521j:plain

コリーンは、プラハから東へ向かう幹線上の主要駅です。ここで分岐する路線もあり、活気があります。モダンな電車からローカル気動車、そして旧型客車列車まで、チェコの様々な車輌を見ることができます。しかし駅前は昔ながらの古びた街並みで、古く落ち着いた雰囲気の建物も多く、工業都市らしからぬ、旅人を和ませてくれる風情も合わせもっていました。

(撮影:2011年10月)