欧州ローカル列車のブログ

欧州ローカル列車の旅 のブログ編です。 ヨーロッパ各地を鉄道で旅行した時の様子を、1枚の写真と簡単な解説とでご紹介しています。

ニュー・ブライトン New Brighton (イギリス)

ニュー・ブライトンは、ロンドンの南にある英国きっての海浜リゾート都市ブライトン(Brighton)とは遠く離れた、リヴァプール(Liverpool)の近くにあります。文字通りで、ブライトンを意識して、第二のブライトンを狙ったと思われるネーミングの、後発の海浜リゾートです。リゾートとしては本家と比較にならないぐらい寂れていますが、このエリアでは人気のある閑静な海辺の住宅地らしく、ここにセカンド・ハウスを持つ人もそれなりにいるそうです。

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鉄道の駅は、行き止まりの終着駅です。利便性は良く、リヴァプール中心部への直通電車が割と頻繁に出ています。観光の足というよりは、地元住民の生活路線として機能しており、特に大都市リヴァプールへの通勤通学や買い物の足として十分機能している感じはしました。電車は第三軌条式の3輌編成で、リヴァプール市街の地下区間に乗り入れます。

(撮影:2013年12月)

オーシュ Auch (フランス)

オーシュは、トゥールーズ(Toulouse)から西へ、単線のローカル線で88キロ1時間半ほど。平凡で特徴の薄い農村地帯を淡々と走って着く、終着駅です。オーシュの街は、一応、地域の中心性もあり、人口も2万ちょっとあります。駅付近からも見える丘の上には、有名なルネサンス様式のローマン・カトリック大聖堂があり、観光地としても知られているようですが、街そのものは渋く日常的なローカル・タウンの趣が濃い所でした。

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駅は街の中心から少しだけ離れている静かな所にあります。そこそこ大きな駅舎と駅前広場があり、駅員もいて、切符売場も自動券売機もありました。列車の発着時刻には人もパラパラ来て、一応まだ利用されているローカル線という感じはありました。

(撮影:2014年5月)

クリスチャンサン Kristiansand (ノルウェー)

クリスチャンサンは、ノルウェーでは最も南に位置する、人口9万弱、同国第5の都市です。首都オスロから列車で4時間半かかるため、飛行機と鉄道が見事に競合する区間です。線路はこの先、スタヴァンゲル(Stavanger)まで続きますが、ここクリスチャンサンでスイッチバックをするため、どの列車も10分前後、停車します。何とものんびりした旅で、これに普通に慣れている人だと、日本の新幹線のせわしなさが異常にも思えてくるでしょう。

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13時44分発オスロ行きの急行列車が発車していくところです。このような電気機関車牽引の客車列車と、新型の電車とがあります。私はどちらにも乗りましたが、客車の方がずっと快適な感じがしました。ノルウェーの長距離列車もこれから次第に電車化が進むのでしょうか。

(撮影:2014年9月)

ミシュコルツ・ティサイ Miskolc Tiszai (ハンガリー)

ミシュコルツは、ハンガリー北東部にある、人口ではハンガリー第3の都市です。トカイワインの産地として知られています。長く製鉄などの工業都市として君臨しましたが、それゆえに現代では寂れがちな面もあり、どことなく活気を失った町という印象です。この駅は、単にミシュコルツ駅とも呼ばれる、鉄道での玄関口ですが、市街地から外れた寂しい所にあります。中心部と2キロ以上離れており、路面電車で結ばれています。

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寂れがちとはいうものの、首都ブダペストとの間がインターシティーで2時間で結ばれており、鉄道での移動が便利な距離なので、駅はそれなりに活気があります。電気機関車に牽引され、客車4輌をつないだブダペスト行きが入線し、大勢の人がここで乗り込みます。

(撮影:2014年6月)

キッツィンゲン Kitzingen (ドイツ)

キッツィンゲンは、バイエルン州北西部、マイン川のゆったりした流れに沿って、葡萄畑が広がる人口2万あまりの町です。今でこそワインの産地の一つとして知られ、長閑で平和な光景が広がっていますが、2006年まで米軍基地があり、また第二次大戦時には巨大な地下トンネルが掘られたそうです。そのトンネルは危険なため、今なお誰も立ち入ることができないそうです。

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鉄道は、ヴュルツブルク(Würzburg)とニュルンベルク(Nürnberg)を結ぶ幹線が通っています。特急などは通過しますが、普通列車も1時間に1本あり、地元の人にもそれなりに利用されています。

(撮影:2014年2月)

ヴェングリニェツ Węgliniec (ポーランド)

ポーランド西部、ドイツに近い鉄道のジャンクションです。町は小さいですが、駅構内は広く、きっとかつてはもっと鉄道の町として活気があったのではと思わせます。第二次大戦まではこのあたりはドイツに属していたということです。

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ヴロツワフ(Wrocław)発ベルリン経由ハンブルク行きの、一日1本だけのEC列車は、国際特急列車とはいうものの、僅か3輌編成で、高速列車とは無縁の、昔ながらののんびりした感じの汽車です。ここヴェングリニェツから非電化単線の路線に入るため、電気機関車からディーゼル機関車へ付け替えがあり、そのため10分ほど停車します。今は列車内は全て禁煙なので、かなりの乗客がホームに降りて煙草を吸っていました。

(撮影:2014年11月)

リブニシュチェ Rybniště (チェコ)

リブニシュチェは、チェコ北西部、緑に囲まれた人口僅か700人ほどの小さな村です。これといった特徴もなく観光客も来ない田舎ですが、駅は鉄道のジャンクションとして、そこそこの乗り換え客があり、駅員も常駐しています。駅舎も立派です。

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2012年1月にここに来た時、小さなディーゼル機関車に旧型客車2輌をつないだルンブルク(Rumburk)発ジェチーン(Děčín)行きのローカル列車を見て、すごく乗りたくなりました。その時はスケジュールの都合で乗れなかったので、それから3年弱を経た今回、この線にジェチーンから乗りました。しかし既に新型車輌に置き換わっていました。客車鈍行はもう消滅したのか、このあたりでは見かけませんでした。かろうじてまだ、旧型気動車によるこういうローカル列車が走っていましたが、それも少数派で、近々新型に置き換わるのかもしれません。チェコの鉄道車輌も急速に置き換えが進んでいるようです。

(撮影:2014年11月)

ヴィルフランシュ・シュル・メール Villefranche-sur-Mer (フランス)

ヴィルフランシュ・シュル・メールは、古くからの地中海岸の保養地として名高いニース(Nice)の2駅ほどモナコ(Monaco)寄りにある小駅です。優等列車は通過しますが、近距離を走る普通列車は本数が多く、利用者もパラパラと見られます。駅のニース寄りはすぐトンネルで、そのあたりから、モナコ方面を望むと、このように湾に沿って走ってくる列車を眺めることができます。

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ニース自体、高級保養地のイメージで知られている街ではありますが、それでもニース駅周辺は都会的に雑然とした面もあります。しかし電車に5分乗ってここへ来れば、もう別世界。ビルフランシュは天然の良港でもあり、平地は少なく、高台には庶民にはとても手が出ない高級住宅が点在しています。

(撮影:2014年5月)