欧州ローカル列車のブログ

欧州ローカル列車の旅 のブログ編です。 ヨーロッパ各地を鉄道で旅行した時の様子を、1枚の写真と簡単な解説とでご紹介しています。

チュンセット Tynset (ノルウェー)

人口5千人あまりの内陸部の町、チュンセットにある鉄道駅です。北欧の内陸なので、冬は数ヶ月に渡って氷点下が続くそうですが、その分、夏は爽やかで快適です。このあたりは伝統的に農牧や林業が盛んだったようですが、今はいずこも同じで、第三次産業が主流です。

f:id:localtraineurope:20141031064409j:plain

鉄道は、非電化単線のローカル線が通っており、2輌の気動車列車が一日に数本、やってきます。あまり脚光を浴びない地味な路線です。しかし、盲腸線ではなく、かなり長距離の路線で、首都オスロ(Oslo)と主要都市トロンハイム(Trondheim)とを結ぶ長距離の本線を補完する役割も担っています。本線も本数が少ないので、時間帯によっては、オスロからトロンハイムまで、こちら経由になることもあります。そのため、長距離客の割合が高いローカル線となっています。

(撮影:2014年9月)

バルデヨフ Bardejov (スロヴァキア)

スロヴァキア北東部、ポーランド国境からも遠くない山あいの町、バルデヨフは、世界遺産に指定された広場や、古くから栄えた温泉があることで知られています。鉄道は、この地方の中心で県庁所在地である、プレショフ(Presov)から、単線の盲腸ローカル線がここまで延びていて、終着駅となっています。使われているのは、もっぱら2輌編成のレールバスです。このレールバスは1輌目にしか運転台やエンジンがないらしく、そのため、終着につくたびに、機関車の付け替えよろしく、1輌目と2輌目を入れ替えないといけません。なかなか手間のかかることを、今なお続けています。

f:id:localtraineurope:20141031063910j:plain

思ったより大きな町で、駅の近くは家の建て込んだ所もありますが、駅付近の踏切のあたりから見れば、両側は鬱蒼たる林でした。そこへこうしてレールバスがやってきました。日本ではこんな感じの古いレールバスはほとんどなくなってしまったので、乗るのも見るのも楽しいひとときでした。

(撮影:2014年9月)

シックスマイルブリッジ Sixmilebridge (アイルランド)

シックスマイルブリッジは、アイルランド中部の典型的な農牧地帯にある小さな村です。かつては駅はありませんでしたが、ローカル列車の利用促進のためでしょうか、2010年にリムリック(Limerick)とエニス(Ennis)の間の唯一の途中駅として開業しました。しかし大昔は駅があったそうで、正確に言うと再開らしいです。新しい駅なので、単線にホームだけとはいえ、自動券売機なども備わり、駅前に駐車場も整備され、パーク・アンド・ライドでの利用を狙っているようです。

f:id:localtraineurope:20141013040444j:plain

2輌編成の気動車は、実は日本の東急車輌製。ヨーロッパでは極めて珍しいです。この写真は、シックスマイルブリッジで数名の客を乗せて、リムリック方面へと去ってゆく所を、駅近くの陸橋から撮ったものです。この写真だけを見ると純然たる農村地帯に見えますが、実際はこのあたりの住人でも、もはや農家は少数派で、近くの街の企業などで働く人の方が多いそうです。

(撮影:2013年10月)

ティスヴィレライ Tisvildeleje (デンマーク)

ティスヴィレライは、デンマークの首都コペンハーゲンから北北西に約60キロの距離にある、海辺の村です。一般の知名度は低いですが、ローカルにはビーチがあることで知られているようで、ホテルなどもあります。しかし夏でも涼しい国ですから、ビーチが賑わう期間は短いことでしょう。鉄道は、コペンハーゲンからヒレレズ(Hillerød)で一度乗り換えれば、たどりつける、終着駅です。

f:id:localtraineurope:20141013035610j:plain

列車の本数は案外多く、その意味ではローカル線ではありません。車輌もモダンな新しい、2輌編成の軽快気動車で、都市近郊交通として機能しています。広域的にはコペンハーゲン首都圏と言ってもいいのでしょうが、通勤するには遠すぎます。ヒレレズから乗ったら、各駅で少しずつ乗客が降りて、終着ティスヴィレライまで来るとガラガラという、典型的な盲腸ローカル線でした。11月といえばもう晩秋。落葉樹の葉もすっかり落ちて、冬を待つばかりという北国の哀愁を感じさせます。

(撮影:2013年11月)

過去記事復元作業終了と新規記事投稿開始について

 9月30日付け当ブログでお知らせしましたように、以前のアメブロで消えてしまった過去の記事を、当時と同じ日付でこのブログに復活させる作業を行いました。

 このたび終了しましたので、これから新たな記事の投稿を開始します。

 但し、以前のアメブロ時代のペースは保てません。回数は大幅に減らします。1年近いブランクの間、ブログが仕事や生活の負担になっていたことを感じたため、これからは無理のないペースで追加していきたいと思っています。

欧州ローカル列車のブログ復元作業について

 このブログは、ウェブサイト 欧州ローカル列車の旅 を補足する目的で、2012年10月に、アメーバブログ ameblo.jp/localtraineurope で開設し、しばらくの間、少しずつ記事を追加していました。しかし何故かある日突如、アメーバブログの記事が完全に消えてしまいました。原因は不明で、アメーバブログの運営に問い合わせても返事すらいただけませんでした。

 幸い、元データのほとんどは残っていたので、改めてこちらで、過去の記事の復元も含め、再スタートいたしました。

 現在まず、消えてしまった過去のアメーバブログの投稿記事を、当時と同じ投稿年月日にて、順次復元作業をしているところです。その作業が終わるまでは、このページが常にトップに来ます。ご了承下さい。

(復元作業開始:2014年09月30日)

ソラレス Solares (スペイン)

スペイン北部、カンタブリア地方にあるソラレスは、サンタンデール(Santander)の東20キロの郊外にある小さな町です。同名のミネラルウォーターの工場があるそうで、それで地域の人には知られているようです。このあたりまでがサンタンデールの都市圏、通勤圏のようで、この駅で折り返す列車が結構あります。

f:id:localtraineurope:20141004084438j:plain

この鉄道は、RENFEとして知られるスペイン国鉄とは別会社で、狭軌鉄道を大々的に運営する、FEVEという鉄道会社です。しかし私鉄ではなく、RENFE同様の国営だそうです。その昔は私鉄も多かったものの、狭軌ということもあり、利益を上げるのが厳しいから、国が面倒を見ることになったという感じらしいです。狭軌と言っても日本の軽便鉄道ではなく、1メートルゲージですから、日本の大部分の鉄道よりレール幅がちょっと狭い程度です。長距離ローカル線もありますが、主要な役割は都市近郊輸送のようです。

(撮影:2013年10月)

アルレスフォード Alresford (イギリス)

エセックス州コルチェスター(Colchester)の郊外にある駅です。コルチェスターはイギリスでも古い歴史を有する街ですが、今は列車が速くなり、ロンドンまで50分で行けるので、ロンドンへ長距離通勤する人も少なくありません。ですがそれでも、ロンドン郊外というよりは、イングランドの地方都市という雰囲気が濃く、まして、そこからまた支線に乗り換えて数駅のこのあたりまでくると、もうロンドン郊外の雰囲気もありません。

f:id:localtraineurope:20141005210034j:plain

どこにでもありそうな、地元の人しか利用しそうもない特徴の薄い駅です。跨線橋の形はユニークというか、印象的ですが、このあたりの他の駅でも見られます。駅は、1866年の路線の開通時に設置されていますが、電化されたのが1959年なので、その際に架線を通すために跨線橋を改築して、こんな形になったのかもしれません。だとしても、もうそれから50年以上経つわけですが。

(撮影:2011年3月)