欧州ローカル列車のブログ

欧州ローカル列車の旅 のブログ編です。 ヨーロッパ各地を鉄道で旅行した時の様子を、1枚の写真と簡単な解説とでご紹介しています。

ロガテツ Logatec (スロヴェニア)

スロヴェニアの首都リュブリアーナ(Ljubljana)から南南西へと下りていく複線電化の路線は、イタリアやクロアチアにも通じる、この国ではそれなりの幹線です。しかし地形の関係もあるのか、羊腸の、とまでは言いませんが、かなり曲がりくねって遠回りをしており、途中の中小の町を首都と結んでいます。そんな途中駅の一つがロガテツで、ここは最近、高速道路ができてから工業の立地が増えた町だそうです。鉄道が通ったことによって栄えた時代もあったのかもしれませんが、今や鉄道は輸送手段としては取り残されつつあるのか、と寂しくなるような話です。

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それだからこそ、といった鉄道の旅が楽しめます。錆びた側線に、多い広くてガランとした構内。人が少ないのに立派な古い駅舎。近代的な電車も走っていますが、こういう駅にこういう急行とも鈍行ともつかないような長距離を走る客車列車が入ってきたりすると、これはもう、日本ではほぼ消え去った、汽車の時代を彷彿とさせます。ヨーロッパのこのあたりでも、こういう光景はこれからあと何年見られるでしょうか。多分もうそんなに長くないような気がします。

(撮影:2011年3月)