欧州ローカル列車のブログ

欧州ローカル列車の旅 のブログ編です。 ヨーロッパ各地を鉄道で旅行した時の様子を、1枚の写真と簡単な解説とでご紹介しています。

ヘレス・デ・ラ・フロンテラ Jerez de la Frontera (スペイン)

スペイン南西部のアンダルシア地方は、冬でも温暖で、日没がとても遅いので、陰鬱な冬が続く高緯度の北ヨーロッパ人の避寒地として人気があります。この町は、有名なゴンサレスなど、いくつものシェリー酒の醸造所があることで知られています。シェリー酒はこの町が発祥で、もともと地名が先で、お酒の名前が普通名詞化したものです。駅周辺を歩くと古びた酒蔵がそこかしこにあり、一部はモダンに改装されて観光客向けのビジター・センターなどにもなっていますが、いずれにしても、シェリーの町を簡単に実感できる所です。

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10年余り前にも列車でここを訪れたことがあるのですが、その時は古びた客車列車でのんびりとたどりついた記憶があります。それだけに、遠くまで来た感じとも相まって、旅の感慨ひとしおでした。今回、駅も街もそんなに大きくは変わっていないのに対して、車輌がすっかり近代化していました。モダンで高速な列車になって便利になるのは良いことであり、鉄道が生き残るために必要なことでもありますが、その代償として汽車旅の味わいが薄れてしまったなあ、というのが、率直な感想でした。

(撮影:2011年4月)