ポルボー Portbou (スペイン)
スペインとフランスの国境駅、ポルボーです。この国境地帯はピレネー山脈が海に落ちる険しい地形で、駅も狭隘な高台に設けられています。隣駅フランスのセルベール(Cerbère)との間はほとんどがトンネルで、数分で到着しますが、車だと曲がりくねった峠道を越えるため、20分ぐらいかかります。ここはまたフランス側のセルベールと共に、欧州標準軌間と広軌のイベリア軌間の境界でもあり、軌間変更装置を通過する列車、機関車をつけかえる貨物列車、そして乗り換えが必要な普通列車など、色々な意味で興味深い駅です。
きっと車輌マニアには興味のつきない駅でしょうが、醸し出す雰囲気も独特で、旅情満点です。駅は大きく、ドーム型の立派な屋根は、大都市のターミナル並の一級駅の風情です。しかし町は小さいので乗降客は少なく、乗り換え客で一瞬賑わう時を除けばガランとして人も少ない、寂しい印象も併せ持つ駅です。かつて出入国審査や税関検査があった時代は、今よりはるかに賑わっていたのでしょう。
(撮影:2011年12月)