欧州ローカル列車のブログ

欧州ローカル列車の旅 のブログ編です。 ヨーロッパ各地を鉄道で旅行した時の様子を、1枚の写真と簡単な解説とでご紹介しています。

クネオ Cuneo (イタリア)

イタリア北西部のピエモンテ地方にあるクネオは、標高500メートルを超える高原都市で、人口は5万余りです。周囲を高い山に囲まれており、爽やかな印象の街でした。すっかり暖かくなった5月の晴天の日でしたが、山々にはまだ残雪がたっぷり残っています。

f:id:localtraineurope:20150110225216j:plain

この写真の列車は、イタリア国鉄トレニタリアの、3輌1ユニットの気動車で、2ユニット6輌編成を組んで、ヴェンティミリア(Ventimiglia)から到着した所です。ここが終着で、しばらく停泊した後、折り返しヴェンティミリア行きとなります。最近列車本数が大きく削減されてしまい、今この全区間を走る列車は1日2往復しかありません。途中は険しい山越え路線で、素晴らしい景色なのですが、利用者は少なく、いずれ廃止されるのではと心配です。そんなローカル線の割には長い、6輌という編成で運転されていました。

(撮影:2014年5月)

ラサルテ Lasarte (スペイン)

ラサルテは、スペインのバスク自治州にある町で、ローカルには競馬場があることでも知られているそうです。隣接する主要都市は、サン・セバスチャン(San Sebastian)で、実質、そのベッドタウンとしての役割が大きな町のようです。

f:id:localtraineurope:20150104085841j:plain

鉄道は狭軌1メートルゲージながら、なかなか近代的な、バスク鉄道があり、ここが行き止まりの終点です。サン・セバスチャンの中心駅、アマラ(Amara)までは、4駅です。アマラからビルバオ方面へ向かう線の、エレカルデ(Errekalde)という駅から分岐して、1駅だけ盲腸線のようになっています。しかし、ビルバオ方面が平日日中は1時間に1本なのに対して、ここラサルテは1時間に2本と、こちらの方が倍の本数があります。

(撮影:2013年10月)

昨年も当ブログを見に来ていただき有難うございました。本年もゆっくりのペースで追加していきます。また、1月1日から、3つ目の鉄道写真ブログとして、世界のトラム を開始しました。こちらも是非見にいらして下さい。

ニュー・ブライトン New Brighton (イギリス)

ニュー・ブライトンは、ロンドンの南にある英国きっての海浜リゾート都市ブライトン(Brighton)とは遠く離れた、リヴァプール(Liverpool)の近くにあります。文字通りで、ブライトンを意識して、第二のブライトンを狙ったと思われるネーミングの、後発の海浜リゾートです。リゾートとしては本家と比較にならないぐらい寂れていますが、このエリアでは人気のある閑静な海辺の住宅地らしく、ここにセカンド・ハウスを持つ人もそれなりにいるそうです。

f:id:localtraineurope:20141226015633j:plain

鉄道の駅は、行き止まりの終着駅です。利便性は良く、リヴァプール中心部への直通電車が割と頻繁に出ています。観光の足というよりは、地元住民の生活路線として機能しており、特に大都市リヴァプールへの通勤通学や買い物の足として十分機能している感じはしました。電車は第三軌条式の3輌編成で、リヴァプール市街の地下区間に乗り入れます。

(撮影:2013年12月)

オーシュ Auch (フランス)

オーシュは、トゥールーズ(Toulouse)から西へ、単線のローカル線で88キロ1時間半ほど。平凡で特徴の薄い農村地帯を淡々と走って着く、終着駅です。オーシュの街は、一応、地域の中心性もあり、人口も2万ちょっとあります。駅付近からも見える丘の上には、有名なルネサンス様式のローマン・カトリック大聖堂があり、観光地としても知られているようですが、街そのものは渋く日常的なローカル・タウンの趣が濃い所でした。

f:id:localtraineurope:20141206061059j:plain

駅は街の中心から少しだけ離れている静かな所にあります。そこそこ大きな駅舎と駅前広場があり、駅員もいて、切符売場も自動券売機もありました。列車の発着時刻には人もパラパラ来て、一応まだ利用されているローカル線という感じはありました。

(撮影:2014年5月)

クリスチャンサン Kristiansand (ノルウェー)

クリスチャンサンは、ノルウェーでは最も南に位置する、人口9万弱、同国第5の都市です。首都オスロから列車で4時間半かかるため、飛行機と鉄道が見事に競合する区間です。線路はこの先、スタヴァンゲル(Stavanger)まで続きますが、ここクリスチャンサンでスイッチバックをするため、どの列車も10分前後、停車します。何とものんびりした旅で、これに普通に慣れている人だと、日本の新幹線のせわしなさが異常にも思えてくるでしょう。

f:id:localtraineurope:20141206060810j:plain

13時44分発オスロ行きの急行列車が発車していくところです。このような電気機関車牽引の客車列車と、新型の電車とがあります。私はどちらにも乗りましたが、客車の方がずっと快適な感じがしました。ノルウェーの長距離列車もこれから次第に電車化が進むのでしょうか。

(撮影:2014年9月)

ミシュコルツ・ティサイ Miskolc Tiszai (ハンガリー)

ミシュコルツは、ハンガリー北東部にある、人口ではハンガリー第3の都市です。トカイワインの産地として知られています。長く製鉄などの工業都市として君臨しましたが、それゆえに現代では寂れがちな面もあり、どことなく活気を失った町という印象です。この駅は、単にミシュコルツ駅とも呼ばれる、鉄道での玄関口ですが、市街地から外れた寂しい所にあります。中心部と2キロ以上離れており、路面電車で結ばれています。

f:id:localtraineurope:20141206050752j:plain

寂れがちとはいうものの、首都ブダペストとの間がインターシティーで2時間で結ばれており、鉄道での移動が便利な距離なので、駅はそれなりに活気があります。電気機関車に牽引され、客車4輌をつないだブダペスト行きが入線し、大勢の人がここで乗り込みます。

(撮影:2014年6月)

キッツィンゲン Kitzingen (ドイツ)

キッツィンゲンは、バイエルン州北西部、マイン川のゆったりした流れに沿って、葡萄畑が広がる人口2万あまりの町です。今でこそワインの産地の一つとして知られ、長閑で平和な光景が広がっていますが、2006年まで米軍基地があり、また第二次大戦時には巨大な地下トンネルが掘られたそうです。そのトンネルは危険なため、今なお誰も立ち入ることができないそうです。

f:id:localtraineurope:20141123015527j:plain

鉄道は、ヴュルツブルク(Würzburg)とニュルンベルク(Nürnberg)を結ぶ幹線が通っています。特急などは通過しますが、普通列車も1時間に1本あり、地元の人にもそれなりに利用されています。

(撮影:2014年2月)

ヴェングリニェツ Węgliniec (ポーランド)

ポーランド西部、ドイツに近い鉄道のジャンクションです。町は小さいですが、駅構内は広く、きっとかつてはもっと鉄道の町として活気があったのではと思わせます。第二次大戦まではこのあたりはドイツに属していたということです。

f:id:localtraineurope:20141123015327j:plain

ヴロツワフ(Wrocław)発ベルリン経由ハンブルク行きの、一日1本だけのEC列車は、国際特急列車とはいうものの、僅か3輌編成で、高速列車とは無縁の、昔ながらののんびりした感じの汽車です。ここヴェングリニェツから非電化単線の路線に入るため、電気機関車からディーゼル機関車へ付け替えがあり、そのため10分ほど停車します。今は列車内は全て禁煙なので、かなりの乗客がホームに降りて煙草を吸っていました。

(撮影:2014年11月)